デブサミ2020 Day 1

今年もモチベーションをもらいに行きました。

最新のブラウザで変わるCookieの取り扱いやPrivacyの考え方

最近色々と動きがあるブラウザ周りのトピックの一つ、Cookieのお話。

最近の流れ

ブラウザ「最近トラッキングが目に余る、プライバシーに配慮しないと。対策として 3rd party cookie を無視しよう。」

ラッキング「js で document.cookie に直接書き込んで 1st party cookie 扱いにしてやるぜ。」

ブラウザ「それも制限かけるわ。1日しか保存しないとかな。」

ラッキング「 CNAME でサブドメイン切ってもらって 1st party cookie にするわ。」

ブラウザ「うーん、もっと厳しくしていこうかな…、 CNAME だったらブロックするとか…。」

イタチごっこの様相を呈している模様。

これから

Cookie はセッションとかシンプルな用途に限定して、トラッキングは必要最低限の情報を専用の仕組みで追えるようにしようという取り組みが起こっているとのこと。

最新のブラウザで変わるCookieの取り扱いやPrivacyの考え方 - Speaker Deck

デブサミ2020【13-C-1】最新のブラウザで変わるCookieの取扱いやプライバシーの考え方 #devsumiC - Togetter

ぼくらの六十日間戦争 ~オンプレからクラウドへの移行~

わりと好物のオンプレからクラウドへの移行話。実際の業務で上手くいった事や失敗した事を共有してもらえるのはとてもありがたいですね。

  • 「手のかからないインフラにしたかった」
  • 移行手順は事前に何度もリハーサルした。移行作業自体はスムーズに終わった。
  • 連休明けの6日目、CPU使用率が天井に張り付く。特定のクエリが重い。
  • クエリプランがおかしくなっていた。統計情報の更新をしていなかった。インデックスが断片化していた。
  • 「データベースは移行前に身を清めておく必要がある」
  • 移行第二弾では、オンプレの本番環境に再生可能な Trace を仕込んでおき、テスト環境で擬似的に1ヶ月運用分のパフォーマンス検証を実施した。
  • 「トラブル対応は祭り。積極的に参加してスキルやシステムの知識を身に着けよう」

スライドの示し方やゆっくり丁寧な話し方など、とても聴きやすかったです。

Our60DaysWar-MigrationFromOn-premiseToCloud - Speaker Deck

デブサミ2020【13-D-2】ぼくらの六十日間戦争 ~オンプレからクラウドへの移行~ #devsumiD - Togetter

質とスピード

言わずとしれた twada さんのセッション。ソフトウェア開発においては質を犠牲にしてもスピードは上がりませんよというお話。

  • 「品質を犠牲にする」 というのは紐解くと「保守性を犠牲にする」ということ。
  • 「後で綺麗にすればいい」その「後で」は訪れない。市場からのプレッシャーが弱まることはない。
  • 逆にスピードを落としても保守性は上がらない。スキルに依存する。つまり、スピードと保守性はトレードオフの関係ではない。
  • 「要はバランス」という言葉が出てくる場合、それは深堀りしきれていないということかもしれない。
  • 「品質は実質無料」品質を上げるコストは手戻りの減少等の効果によって回収できる。
  • コードの品質を高く保つ「からこそ」速い。質がスピードを生み、スピードが質を生む。
  • 「短期的には速い」の「短期的」は、自動テストで言えば「4回」である。内部品質への投資が回収されるのは1ヶ月である。
  • つまり、品質を高める投資は自分たちが受益者となる。道徳や矜持の話ではない。
  • 削るべきは現実的に考えてスコープ。リリースを延期してもよいが、その場合はフィードバックが遅れる。

圧倒的納得感です。

質とスピード(2020春版) / Quality and Speed 2020 Spring Edition - Speaker Deck

「要はバランスおじさん」のまとめ - Togetter

デブサミ2020【13-B-4】質とスピード #devsumiB #devsumi - Togetter

Hondaの生産技術屋さんがソフトウェア開発でアジャイルを初導入し組織変革に挑戦

ホンダエンジニアリングさんでアジャイルを導入したお話。 

  • 「動くソフトウェアこそが、要求を洗練させる最も優れた表現方法である」
  • 変化には暇人が必要。
  • (アジャイルをやるには)組織文化と雑務が邪魔。
  • 失敗するならすればいい。短い期間で区切っているので、上手くいかないやり方だったなら捨てればいいだけ。
  • 口出ししたいことはあるが、あえて失敗するまで見守ってから得たものについて振り返る。トライ・アンド・エラー。

世間一般でイメージされる Honda らしさと違う状況になっていて、それを改善していくという現在進行系の内容でした。

デブサミ2020【13-B-6】Hondaの生産技術屋さんがソフトウェア開発でアジャイルを初導入し組織変革に挑戦 #devsumiB #devsumi - Togetter